詩U

□生贄
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闇に彩られた夢が一枚、また一枚消えて行くわ

何処へ行くのです?

そう問う声に私が考える

私は何処に行きたいの?

いいえ、何処も無いわ

行き場なんて無いの

闇の夢が手を広げて追いかけて来るわ

抱き留められたら最期

ほら、鈴の音が聞こえるわ

私を捕まえる為の不吉な音を響かせて

彼らは追いかけてくるの

聖があるなら悪も存在する

贄にされた羊はけして動くことなく祭壇に横たわるの

されど顔を天に向けて問う

何故?と

天の父が我らに与えし罰

そんな答えなど求めてない

羊は己の身を問うたのでは無いの

この腐った世界を問うたの

黒衣をまとった美女

その瞳に光は無く翳りだけが虚ろに光るわ

喪服の裾を滑らしながら彼女は問う

何故?と

答えなど求めてないわ

全て分かりきったことですもの

生もあれば死も存在するの

贄でしか清められない世界

いっそ消えてしまえばいいのに

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