文
□孤独と妖精
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ここはヨヨギ公園
「じゃあ、ここまでだね」
「あぁ…」
「哲士のおかげで帰ってこれた。ありがとう」
「あぁ…」
悪魔の体になってから初めての仲魔。
絶望に包まれて孤独に押し潰されそうになった時に手を差し伸べてくれた
気の利いた別れの台詞でも言ってやりたいが生憎言葉が出て来ない。
黙ったまま突っ立て行くなと言いたいのを我慢することしか出来ない。
自分は弱い。この子を連れていっては危険な目にあわせることなる。
そんなこと解ってる。だけど傍にいて欲しい。
そんな心のなかの葛藤を読み取ったのかピクシーが優しくどうしたの?なんて聞くからつい本音が出てしまう
「…かないでくれ…」
聞き取れなかったピクシーがもう一度どうしたの?優しく聞いてくる
「俺にはお前が必要だ。行かないでくれ…」
「私…弱いよ?」
「それでもいい。俺がお前を守るから一緒にきてくれないか…」
独りが嫌だから寂しいのが嫌だからそんな子供みたいな理由で行かないでくれって言ったんだ。
それなのにこの妖精はついてきてくれた。
だからせめてこの優しい妖精を守れるぐらい強くなりたいと思った。
end