デイダラ、サソリ

□捧げもの
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今日は俺、赤砂の蠍 の誕生日。


身体が傀儡になってるから余り歳を取るっていう感覚は無いがな…。


今日は恋人であるデイダラと誕生日を過ごしたかったのに…


あのクソリーダーが…


「蠍…お前に特別任務を言い渡す。」


………。


ふざけるな…


**捧げもの***

俺が不機嫌な顔丸出しでアジトの廊下を歩いていると…


「旦那〜♪」


ギュッ…


デイダラが勢い良い俺の胸にダイブして来る。


「旦那♪旦那♪」


いきなりの恋人登場…


「………////」


上目遣いのデイダラ…畜生…可愛い。


「旦那…顔赤い…、うん。」

「………。」


はぁ…やっぱりデイダラと誕生日は過ごしたかった。


そう考えると任務を言い渡したリーダーに余計に腹が立つ…。


「旦那…そういえば誕生日だったよな、うん。」


「ああ…。」


コイツ覚えていてくれたのか…。


「誕生日おめでとう、うん/////」


頬を桃色に染めて照れくさそうに言うデイダラを見ると余計に心が痛む…。


「………。」



「旦那…?」


「デイダラ…すまない…。」

不思議そうに顔をかしげている恋人の頭を優しく撫でながら俺は言葉を続ける。

「今日は任務が入ってな…お前と誕生日は過ごす事は出来ないんだ…。」


コイツ怒るだろうな…


なにせあんなに楽しみに…


「仕方がねぇなぁ、うん!」


「………!」


えっ…


意外な反応…


「だって…任務なんだろ…うん。オイラ待ってる、だから帰ってからお祝いしよう…うん。」


「デイダラ…」


お前ってやつは…本当健気だな…。


「だから、早く任務片付けて帰って来て欲しいぞ…うん。」


キュン…


良し決めた…今日は全力で任務を片付ける。


コイツの為にも早く任務を切り上げないとな…


「ああ…」


「旦那待ってるからな♪うん」


そう言うとデイダラは俺の頬にくちづけし、照れ隠しの為か一目散に廊下を走って行った。


「たっく…/////」


マジで頑張らねぇとな…。





だが…その決意も虚しく…俺がアジトに帰る事が出来、自分の部屋に戻る頃にはとうに夜も更けて丑の刻を回っていた…。


「クソッ…、思いの他長引いちまったな。」


アイツは…もう寝ているだろうな……すまない事をした。


明日…謝らないとな…。


そう思いながら自室の扉を開け電気を点けると…。


「えっ…!!!」


デイダラ…?


自室の扉を開けると俺のベッドの上に恋人が身体を丸めて、気持ち良さそうに寝息を立てていた…。


「コイツ…今まで待っていてくれれていたのか…?」


ベッドの上の恋人の寝顔は何とも言えない可愛さだ…。


「………。」


眠っているのを起こすのは 悪い気がしたのでこのまま寝かせておく事にした。


「ごめんな…。」


身体が冷えるとイケないのでデイダラに布団を掛けようと手を伸ばすと…


「う〜ん…。」


デイダラの瞼が微かに震えて、空色の瞳と目が合う…。


「旦那…?」


「すまん、起こしてしまった…。」


慌てて謝罪の事を述べようとすると…


チュッ…


デイダラの軟らかな唇が当たり、言葉を中断されてしまった。
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