お題で…

□02優しいのは私よりも君だろう?
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「う〜…ん。」


「おや?起こしてしまいましたか?」


俺達は任務先に向かう為に暗い森の中で一夜を過ごしていた。


「いや…気にするな。」



ゆっくりと身体を起こして相方の方へと視線を移す。

「どうしました?」


視線に気付く相方。


「何も被っていないのか?」

夜の見張りに付いているのに毛布一枚も羽織っていない。


その代わり、俺の身体には一枚多く毛布が被せられている。


「私は頑丈ですから…。」


ほほ笑んで俺の頬を優しく撫でる鬼鮫。


「そうか…。」


頬を撫でる鬼鮫の手はひんやりと冷たくい。



「イタチさん…?」


「こうすれば寒くない…。」


俺は鬼鮫に毛布を掛けちょこんっと、膝の上に乗っかった。


「なるほど。」


鬼鮫の腕が俺の身体をゆっくりと包み込む。


「温かいな…。」


「ハイ。私の身体を気遣って下さってイタチさんは優しいのですね…。」



「優しい、か…。」



写輪眼を使った後…


いや、


いつもお前は俺の事を…


「イタチさん…?」



急に黙り込んだ俺を心配そうに見詰める相方。



「何でも無い…。」


「そうですか…。」


心配する相方の頬にそっと手を当てながら俺は呟いた。



「優しいのは私よりも君だろう?」






END‥



後書き

千歳の誓い様からお借りしました。五つのお題「愛しい君」の二つ目のお題です。

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