お題で…
□05きっと哀しいのは君の方なのに
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旦那が死んで抜け殻状態だったオイラ。
旦那が居なくなかった世界は何事も無かったように時を刻んでいるが、オイラに取っては旦那が居ないはこの世の終わりだった。
生きていても何も感じない。
一掃の事旦那の後を追って死のうか何て考えた時期も有った。
でも…死ねなかった。
それは…
「先輩…っ…!!」
「……っ…。」
オイラは今日も旦那の元に逝こうと手首にクナイを振り上げた。
だが…クナイを握る手は腕へと向かう途中で止められてしまった。
「何してるんっすか!!」
オイラの手からクナイを奪い取り、オイラを見詰める。
「テメェには関係ねぇよ…、うん。」
また…、コイツに止められた。
コイツ…いや、トビの目を盗んで何度も逝こうとしたが毎回見付かってしまい止められてしまうのだ。
「関係は大有りっすよ…。」
全く何時もいつも、お節介な奴だ。
「メンバーが足りなくからか?それとも、自分に迷惑が掛かるからか、うん?そんな理由ならオイラを放っておいてくれよ。」
「そうな理由じゃ、無いです。」
「違う?なら死のうと思っている奴を助けて善人気取りか、うん…。」
なぁ…頼むから逝かせてくれよ。
こんな世界生きている心地がしない。
心臓が動いて身体は生きていても、心が死んでいる。
もう、こんな毎日うんざりだ。
「もう…オイラの邪魔をするな!!!」
その場から離れようとした時。
えっ…?!
気付けばオイラはトビの腕の中に居た。
「先輩…逝かないで下さいよ。」
「トビ…?」
いつもヘラヘラしているトビが真剣な顔でオイラを見詰めている。
「好き…なんです。」
ドキッ…
なんだ…?
今のオイラの心に…何かが突き刺さった。
「先輩…サソリさんの事を忘れる事が出来ずにいるんでしょ?」
「だから死のうと思った…、そうですよね?」