イタチ.飛段
□寝相
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++寝相++
月も出ない真っ暗な夜。
「良し…。」
金の勘定も終わり俺は仮眠を取る為にベッドに潜り込んだ。
だが、しばらくして胸の辺りに感じる違和感。
「重い…っ…。」
金縛りではない、何か重いものがズッシリと乗っている。
「何なんだ…全く。」
目をゆっくりと開けると…
そこには…
「カクズゥ…。」
気持ち良さそうに寝息を立てている相方飛段の姿が。
「オイ!起きろ飛段!」
「う〜ん…?」
肩を掴んで前後に振ると…、ピンクの瞳を眠そうに擦りながらゆっくりと起き上がった。
「カクズゥ♪」
再び俺に倒れ込んで頬を胸に擦り寄せてきた。
どうやら寝ぼけているらしい。
「そんな所で寝ていると風を引くぞ。」
冷えきった頬を優しく撫でてやると嬉しそうに手に顔を寄せてくる。
「そんな顔をして、俺を誘っているのか?」
「誘う?」
意味を理解出来ていないのか、俺の不思議そうに見詰めている。