イタチ.飛段

□梅雨の日に
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*梅雨の日に…***


「…暑い。」


今は梅雨だと言うのにまるで真夏の様だ。


じりじりと太陽が地面に照り付ける。


「全くどうにかならないんですかねぇ…。この暑さ…干からびてしまいますよ。」


っと鬼鮫は相方であるイタチに話し掛けた。


「お前がそんな暑苦しい格好をしているからだ。」


っと無愛想な返事が返って来た。


そんなこと言ってイタチさんこそ同じ格好してるんですから、


私の事言えないでしょ…。


何て思いながらイタチの方へ視線を落とすと…。


「…!!!」


イタチの格好を見て鬼鮫は思わず 目を見開いてしまった。


鬼鮫が驚くのも無理はない、
何故ならイタチの格好はいつも着ているの暑苦しい赤い雲模様のコートではなく…

彼が抜けて来た里の暗殺部隊(暗部)の格好をしていたからである。


「…イタチさん。」


5分ほど沈黙が続いた。


「…暑かった…から…。」


無愛想な返事が返ってくる。


「…ハァ?」


「だから…何となくだ…悪いか?」


ハァ…ただ暑かったからですか…。


イタチさんが変な趣味起こしたかと思った…。


「…ってそんなコトじゃなくて!!」

自分自身に突っ込む鬼鮫。


「何で暗部の格好なんですか…そんな格好してたら怪しまれます。」


そう言うと鬼鮫はイタチの暁のコートを取り出した。

「今すぐこのコートを着て下さい。」


「イヤだ!」


断固拒否するイタチ。


「着て下さい!」


「嫌!!」


なかなかハイと言わないイタチ。


遂に鬼鮫が強行手段に出た。

「自分で着ないのなら力ずくで着せますよ…。」


イタチの腕を鬼鮫が掴んだ。


「離せ、鬼鮫。」


「着て下さい!!」


カッ…

鬼鮫の足が何かにつまづいて倒れ込む。


「…って、ワァァ…。」


ドーン…

見事に転んでしまった。


「痛たた…イタチさんすいません…大丈夫ですか?…!!!」


ハッ…


この体制は…、


「ヒーッ…。」


自分の下を見るとイタチが殺気の籠った目でこちらを睨んでいる。


「キィー…サァー…メエー…!!」


イタチさんが怒るのも無理はない、

この体制が…

揉合ってバランスを崩して倒れたとしても、明かに自分がイタチさんを押倒した様な形になっているのだ。


こんな所誰か知り合いに見られたら…。


嫌な予感が鬼鮫の頭をよぎる。


その予感は運悪く的中した。


「ああぁぁ―…!!!!」


後ろで聞慣れた声が聞こえた…。


まさかと思って振向くと、やはり後ろにいた…。


トビとデイダラだ…。


「鬼鮫、イタチこんな所でナニやってるんだ…う、…うん。」


デイダラの表情がこわ張っている。


「ええっと…、あのですねぇ…これは。」


必死に言い訳しようとしたが…。

「押倒されてた…。」


見事に打ち砕かれてしまった…。


「イ、イタチさん…。」


今一番言ってはイケない単語を…。


「鬼鮫先輩…そんな趣味を持っていたなんて…以外デス。」


軽蔑のまなざしを向けるトビ。


「チョト待って下さい…、これは事故です…。」


必死に言い訳しようとするが…。

「ホモで年下が好みって…犯罪だぞ…うん。」


デイダラにもきっぱりと言われてしまった。


「だからぁ…これは事故なんですって信じて下さい……。」


「二人共信じて下さいたらぁ…。」


冷たい目線…。


「何で私がこんな目に合わなくてはイケないのですかぁ…。」


*終り*
 

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