長編
□傀儡と粘土と赤髪少年
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##傀儡と粘土と赤髪少年##
ツーマンセルを組む事になった相手に酷い目に合わされた翌日。
オイラはリーダーに呼び出された。
「デイダラさん、リーダーお呼びですよ。」
「分かった…うん。」
鬼鮫に案内されて、長い廊下の先に有るリーダーの部屋を目指す。
組織に入って初めての任務か…うん。
何か緊張するなぁ…。
確か暁の行動基本はツーマンセルだったよなぁ…うん。
アイツと、か…嫌だな…。
「着きましたよ。」
「案内してくれて有り難うな、鬼鮫…うん。」
そうこう考えているうちにリーダーの部屋に着いてしまった。
「では…私はこれで…。」
ツーマンセル組むのが鬼鮫だったら良かったのにな…うん。
はぁ…
コンコン…
扉をノックする。
「入れ…。」
ガチャッ…
部屋にはリーダーとの他に昨日オイラを犯そうとしたサソリが居た。
嫌な予感…。
「デイダラ、サソリ…お前らに任務を言い渡す。」
見事に予感が的中。
はぁ…
憂鬱だ…。
オイラはサソリとツーマンセルで組織の情報を漏らしているという…忍びの隠れ里を落としに行く事になった。
……………
アジトの外に出ると、オイラの気持ちとは裏腹に雲一つない真っ青な空がオイラ達を出迎えてくれた。
「オイ、クソ餓鬼サッサと歩け。」
気分最悪のオイラは半ば足を引きずる様なかたちで、サソリの後を歩いている。
「五月蠅い…うん。」
オイラ凄く不安だな…うん。
「サッサと行くぞ俺は待たされるのが嫌いなんだ。」
せっかちな奴…何とか話をしないと気まずい…うん。
「ところで作戦はどうするんだ…うん。」
コイツは嫌いだけど、一応任務だし頑張らないと…うん。
「作戦…何て立てる必要はねぇ…俺が全て殺る。」
…………!!
コイツ、オイラの事馬鹿にしてるのか…うん。
「なっ…!!そんなのずるいぞ、オイラも殺る!」
「フンッ…テメェみたいな餓鬼役に立たねぇよ。」
「何だと…」
馬鹿にされてついつい大声になってしまうオイラ。
昨日といい…今日といい…もう頭にきた。
「もう…オイラ許さねぇ、うん。」
「ほぉ…どうするつもりなんだ?」
そうやって余裕こいていられるのも今の内だ…思い知らせてやる。
「こうするんだ…うん!!」
答えると同時に、オイラはポシェトの中に有るだけの起爆粘土をサソリ目掛けて投げ付けた。
「何…っ…!!」
ドゴーン―!!!!
激しい爆発音が木霊する。
「フンッ…思い知ったか!オイラを馬鹿にするとこうなるんだ…うん!!」
「……………。」
沈黙………。
「ちょっとやり過ぎたかなぁ…うん。」
まさか…死んだんじゃ
でもあれ位で死ぬ訳…
死ぬ訳……
…………。
「オイラ…知らない、うん。」
知らないからな…
「……………。」
先に行ってよう……
仕方がないので…取りあえず先にノルマを片付ける為に歩き出す………。