書庫シリーズ

□4月1日〜壱〜
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エイプリルフールそれは唯一嘘が許される一日…。

*4月1日〜壱〜*

「先ずは鬼鮫だな。」

デイダラと飛段とエイプリルフールにゲームをする事になったイタチは、鬼鮫の部屋へ向かった。

「ククッ…、アイツは単純だから直ぐに騙される。」

どうやら最初のターゲットは自分の相方に決定した様だ。

部屋を覗いて見ると…鬼鮫は愛刀鮫肌の手入れをしている。

今は一人狙うなら今しかない…。

「…フッ、行くか。」

そう言うと、イタチは目薬を取り出し数滴瞳に落した。

「今日も鮫肌は良い状態ですねぇ…。」

バタンッ…

「き…さ…め…。」

勢い良く部屋に入ると、その場に倒れ込むイタチ。
赤い雲模様の装束は乱れて、目には涙を浮べている。

「イタチさん…?!一体何が…?!」

鬼鮫が血相変えてイタチを抱き上げる。
イタチが芝居をしているとは全く気付いていない。

フッ、計画通り。
このまま芝居を続けてみるか…。

「しっかりして下さい!!」
「ペイ…ンが…。」

「リーダーがどうしたんです?」

「さっき、部屋に呼ばれて…。そしたらいきなり…押し倒されて…。」

「!!!」

フッ…、完ぺきだ。

鬼鮫はイタチの言うことをスッカリ信じ込んで動揺している…。

「まさか、リーダーが…、イタチさんにあんな事やこんな事を…!!」

動揺している鬼鮫とは裏腹に、笑いを堪えるのに悪戦苦闘しているイタチ。

ククク…、そんなにショックなのか鬼鮫…。

「ああぁぁ…!!私の中にあるリーダーのイメージが…!!」

もう完全にパニック状態に陥っている。

「ちょっとリーダーに文句言って来ます。」

そう言うと、イタチをベッドの上に下ろし部屋を出ようとする。

「別に行かなくても…。」

リーダーの所へ行かれては全ての努力が水の泡になってしまう。

「でも…、あの方のせいでイタチさんの童貞が…。」

鬼鮫…意地でもリーダーの所へは行かせない…。

良し、かくなる上は…。

グッ…

「ワッ…!?、もういきなり何です?」

いきなり上着の裾を掴まれて、思わず足を止めてしまった鬼鮫。

「鬼…鮫…。」

ワザと上着を肩からずらして上目使いに話すイタチ。

普通の男が見たなら理性がフッ飛んでしまいそうだ。

「イタチ…さん!!ちょっと何て格好しているんですか!!」

驚いて目を見開いている鬼鮫…。

「さっき変な薬を盛られたみたいで…、鬼鮫…何とかしてくれ…。」

さぁ、どう出る鬼鮫よ。

一方鬼鮫はと言うと、完全に落ち着きを失ってしまってただ茫然とその場に立ち竦んでいる。

「…でも…ですね、お体は大切にしないと…。」

鬼鮫め完全に固まっているな…。

だが、これでトドメだ。

ちょっぴり頬を染めながらイタチをトドメの一言を口にする。

「でも、鬼鮫が…相手してくれるなら…。」

ボッン…

何かが吹っ飛んだ音がする。

「わ…、分かりました。私も男です…覚悟を決めます。」
そう言うと鬼鮫はイタチをベッド押倒した。

…が。

ボンッ…!

「アレ?」

イタチは見事に変わり身の術でその手を逃れていた。
次の瞬間…。

バキッ…!

変わり身で鬼鮫の後ろに回ったイタチは激しい蹴り頭に浴びせる。

「痛い!!何するんですか?!」

バキッ…ボコ…。

鬼鮫を蹴り続けるイタチ。
さっきとは態度がガラリと変わっている。
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