書庫シリーズ
□君に子守歌を…
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**君に子守歌を…**
俺は餓鬼に甘いのかもしれない。
そう実感し始めたのはつい最近…
俺の相方のデイダラが俺が調合した毒で幼児化してしまった事から始まる…
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「だんにゃ…。」
「う〜ん…?どうした?」
「眠れない…うん。」
小さくなってしまったデイダラは普段にも増して甘えてくる。
いや…小さくなって心細いのだろうか…
とにかく、小さくなってからは俺とデイダラが過ごす時間は一気に増えた。
「たく…一人で寝ろ。」
まぁ…そんなデイダラをウザイと思う俺なのだが…
「だって…一人じゃ恐い、うん。」
俺の冷たい反応を見て大粒の涙を流すデイダラ。
よっぽどショックだったのか…?
「えっぐ…っ…だん…にゃ…っ…。」
まだ諦め切れねぇのかまだ涙目でこっちを見詰めていやがる。
はぁ…このウルウルとした小さな瞳に見詰められると…
「しかたねぇな…。」
罪悪感というのもに襲われて、ついつい甘やかせてしまう。
「やった!!」
「………。」
嬉しそうに俺のベッドに潜り込むアイツを見ていると何だか心が和む。
「旦那!旦那!一緒に寝よう…うんうん!!」
何と言うか…子供の面倒を見る父親…みたいなそんな気持ちだ…。
「ああ…。」
デイダラに呼ばれて俺もベッドに潜り込む。
「エヘヘ…。」
「………。」
でも…
俺たち…
本当は付き合っている筈なんだけどな…
「旦那…?」
気付くと俺は小さなデイダラの身体を強く抱き締めていた。
「デイダラ…。」
まぁ…恋人って関係だしキスとか、それ以上の事をしたいという気持ちは有る。
でも…この小さな身体が壊れてしまいそうで…。
だから…戻るまで…手は出さないと心に決めている。
「ねえ、…旦那。」
「うん…??」
チュッ…
「おやすみ…うんうん。」