■外唄

□アルマゲドン
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 今、テレビでニュースが流れている。あと、三分も満たないうちに地球は滅びるらしい…。いや、滅びる。隕石が降ってきて、それが地球に落ち滅ぶ。それを回避する手はないらしい。
 地球の民は滅びをただただ待つのみ。


 目の前に映し出されているテレビが切られた。高階によってだ。俺たちが付き合ってまだ一年も経っていない。あの日から。
 それなのにこの様だ。相当神様とやらに嫌われているらしい。

「高階……」

 後輩である高階を見ると少し悲しそうな顔でこちらを向いていた。当たり前だろう。俺みたいにいつもみたく変わらない顔がいたら、自分でもすごいと思ってしまう。

「先輩」

 呼びながら、ソファーに座っていた俺たちの間を狭めてきた。

「地球…なくなっちゃうね…」
「……そうだな」

 そんな分かりきった内容を口にする。寂しさを紛らすためか手をやさしく握ってきた。いつもどおり温かく、しかし僅かに震えていた。

「嫌だね…」
「…………」

 独り言のように続ける。

「僕、バスケ出来なくなって、お母さんがああで、友達出来なくて……凄く嫌だったけど、この世界は好きだったんだ。恨んだこともあったけど…」
「…………」

 辛いのか、手を強く握られた。

「……先輩とも…お別れ…だね」
「………そう、だな」

 瞬間強く抱き締められた。高階の香りが鼻を擽る。そう……この香りさえも温もりも最後。高階と最後の日。いろんな想いが胸の中をグルグル巡る。

 苦しい……嫌だ……。

 自分も強く抱き返した。手は震えてしまっただろうか…。

「…違う。」
「え?」
「高階…。最後じゃない。地球がなくなっても、魂はお前と生き続ける」

 こういうことは、信じているわけではない。だが、その場しのぎでいいから信じていたい。好きな人とは離れたくない。

 怖い…。高階、お前と離れそうで。

 先程よりより強く抱き締める。離さないように。これからも……。

「先輩……」
「うん…?」
「最後に先輩食べちゃいたいんですけど」
「……………………」
「……………駄目ですか?」
「……………………………………わかった」

 最後だから良いよな。一つになれる統べを選んでも。それに、高階の笑顔が見れてよかった。幸せそうにしてくれて。
 暖かい水が頬を伝う。
 それに高階は唇を寄せながら言った。

「ありがとう、先輩。大好きだよ、愛してる」
「あぁ、俺も…愛してる」

 そして俺たちは愛する人の腕の中で眠りについた。

END
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