REBORN
□焼き付ける
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「何見つめてるんですか、貴女は」
「え?」
骸に声をかけられて、ハッと我に返る。無意識のうちに見つめていたのかもしれない。紅と碧のオッドアイが困った様に笑ってみせた。顔に何かついてます?と自分の頬に触れる骸。
「いえ、何も。ただ、」
ただ骸が余りにも綺麗で、一瞬すごく遠くに居るような感じがして。こう伝えると、彼はどんな顔をするのだろう?今みたく、困った様に静かに笑むのだろうか。
「ただ、何です?」
尋ねる骸に答える。
「何となく、骸さんをまぶたの裏に焼き付けておこうかと」
何を言ってるんですか、と呆れた口調で、でも優しく言う。
「焼き付けなくとも、僕は此処に居るのに」
そう消え入りそうな声で囁いてから、口付けた。
目を閉じて確かめた温もりに、涙がとけて流れた。
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