ロンリーガール.
□ため息の嵐.
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『聞いてる?オニオン君。』
「オリオンだってば!」
「無駄だよ、ブラック。彼女の頭の中にある脳の量は家畜にも劣るから。」
『あ、今のあったまきたかんねー!ふぁっきんぐ!リドル!』
「お前がな。」
「はぁ、お前ら一体何なんだよ。」
ここは今、ホグワーツに向かうホグワーツ特急。そして巻き込まれたのはオリオン・ブラック。彼はシリウス・ブラックのパピーだ。まだ生まれてないけど。
少し時間を遡ると、寝坊した私は髪ぐちゃぐちゃのままキングズクロス駅に着いた。案の定目を釣り上げて怒るリドル君が待ち構えていて、ぐいぐいと引っ張られるように進み、九と四分の三番線の壁をくぐり抜けて、足早にプラットホームに入った。
「君のせいで、コンパートメントがもう空いてないかも。」
『り、リドル!まっ、待ってよ!―ぶぇぶぅ!』
「…お前、大丈夫か?」
リドルに握りしめてられていたローブは滅茶苦茶シワだらけだった、そんなローブをうつ伏せに見る私。そうスッ転んだのだ。そして振り返ったリドルが視界に入った、しっと、リドルめ、面倒くさそうな顔したな。心の悪態をつくものの顔面強打した私は動けなかった。そして目の前に表れたのが、あろう事かあのオリオン・ブラックだった。
***
『まぁ、落ち着いて、オニオンもコンパートメントこうやって見つけたし。』
「うるせえよ、オリオンだって言ってんだろうがっ!」
『カリカリするな、ニンニク。』
「ナナ、ガーリックだよ。」
『ああ、そっか。怒んないでよガーリック。』
「―オリオンだってば!リドルも何処に注意をしてんだよ!」
「ナナが楽しそうだったから、」
「グルか、グルなのか?」
『ねー、食べる?カエルチョコ』
「いらない。…あ、おい、そっちのは?」
『あ、え、これは…』
オニオンが指を差したのは、窓際の台にある箱。昨日不安がる私に、リドルがくれたチョコレートだ。
「そっちなら食べる。」
『…え、嫌、このチョコは駄目!』
「…はっ、分かった!そのチョコ高級なんだろ!大事そうに抱えやがって。一つでいいから!」
私の向かいに座るオニオン(オリオン)が、腕を伸ばしチョコを奪おうとし私は必死で身をよじる。
「ひとつだって!」
『だっ、駄目!』
「何でだよ!」
「いい加減にしてよ、二人とも。」
その瞬間、私とオリオンはリドルを見る。リドルはため息をついて読んでいた本をパタンと閉じ口を開く。
「五月蝿いったらない、」
『だっ、だって!リドル!オリオンがっ!』
「だってリドル!ナナがっ!」
「五月蝿い、黙れ。それ以上騒ぐなら二人ともこのコンパートメントから追い出すよ。」
リドルの刺々しい視線をぶつけられる、オリオンと私は縮こまった。リドルが恐い。よし、オリオンの隣に移動しよう!、と、するとリドルにがっちり腕を掴まれた。え、な、なに。と思ってリドルを見たら、余計に不機嫌なリドル。
「何処行くの、」
『お、オリオンのと、なり…―べぶっ!』
顔面に本が当てられた、私はその衝撃でリドルの隣にまた座ってしまった。顔面に本をぶつけた当の本人は、また涼しい顔して本を読み始めた。うっわ、様になるからムカつく!私が膨れっ面をして、オリオンを見ればオリオンは嫌味な笑みを浮かべた。ちきしゅう、ふぁっく、げらいひる、私の可愛い鼻が!潰されかけたんだから!ん、あ?オリオンが口パクをした。(あ、ん、ま、か、わ、ん、ねー、よ!ブス!)
『死ねえぇえええっ!玉ねぎ野郎ォォォ!』
またリドルに本で顔面を打たれたのは、言うまでもない。
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でも、その本1ページも進んでないよ
リドル。
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