ロンリーガール.

□流れ星の行方.
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パシン!と乾いた音が響いた。その光景を見ていたリドルは一瞬目を見開いたけど、隣に居たオニオン事、オリオンの方がびっくりしたのか女の子みたいな悲鳴を上げた。



『わぁお、私女の子にひっぱたかれるなんて初めてです、』


「なら、二度目も私よっ!」


勢いよくまた振り上げられた、彼女の腕。私はため息をついて降り下げられた手を掴んだ。はん!私は黙って打たれる玉じゃないんでねっ!にしても、ちょー面倒くさっ!だから嫌なんだよね、女の子ってさ。




「離しなさいよっ!」


『離したら打たない?』


「打つわよ!」


『なら離す訳ないよねー』



にへらとした私にまた腹が立ったのか、もう片方の手が振り上げられた、あ、やべ人間て腕は二つに手も二つ。そう右左あるんだった。間に合わない打たれる!―と、思ったけど。目を瞑ったのに衝撃がこない、ゆっくり目を開くと見慣れた金髪の髪が近くに揺れていた。




「男が女に手を上げるなんて持っての他だが。」



『―!…アブラクサス先輩』




「…女が女に手を上げる姿も見られたものじゃなければ、実に下劣で滑稽だな。」


「アブラクサス、何故彼女を庇うのっ!」



彼女の呼び方すると、親密な関係と見た。あれ?じゃあなんで私巻き込まれてんの、リドルとかオリオンのせいじゃないのか。はて、彼女は…。すると彼女の視線が自分に戻った。うひぇっ!私が目を見開いたら、視界の端にオニオン野郎がぷっ!、と吹き出すのが見えた。
(アバダすんぞたまねぎぃいいいっ!)



「貴女のせいで、彼が婚約を破談にしたのよ。…私は…親なんて関係なく彼の事をっ!」



彼女の目から涙がハラハラと落ち、栗色の髪と同じ色の瞳は涙私を睨み付けていた。


『…わたしの、せい?』



「許さないわよっ、…」


「Ms.橘聴かなくていい。」




アブラクサス先輩は彼女の言葉を遮ると、私の前に立つ。更に彼女の形相が露になる。けど私はそれ所ではなかった、数分前から頭や体から汗が吹き出し、視界がグラグラと揺れていた、限界、そう思った時にはもう視界は反転して倒れた。頭を打った衝撃で歪む視界。その視界に珍しく驚いた顔をしたリドルが映る。一番早くオリオンが駆けつけてきて、近くにいたアブラクサス先輩は元婚約者の彼女に何かを怒鳴ってるようだ。あらやだ、先輩。女の子に怒鳴っちゃ駄目よ。そしたら先輩だって彼女と同類になっちゃう。でも冗談も考えられなくなっきた。…い、きが…くるしい。




手に握っている飴の入っていた紙袋。そして辿り着く理由。…嗚呼、犯人はこの飴か。誰か分からない人間から届いた飴なんか食べるんじゃなかった。



「なんだよ、おいっ、ナナっ!…っ誰か、医務室に、」


「…息が弱い、どうしたと言うんだ」


アブラクサス先輩が私の上半身を持ち上げて後ろから支えた。よし掛かるように座る私に、オリオンが顔を歪めて何度も私の頬に触れて名前を呼ぶ。大丈夫だよ、落ち着いてオリオン。



「避けろ。」




いつもより低いリドルの声。談話室が一瞬にして凍りついた気がする。何だ何だと見ている野次馬が引き、リドルがソファーから立ち上がり歩いてきた。




「リドル、ナナどうし…―」




「―黙れ。僕が死なせる訳無いだろう。」



リドルが私の前に来るとしゃがみ込み、視線を合わせる。





「ナナ何か誰かから物をもらったり、贈られてきた食べ物を食べたか?」




声が出なくて頷くと、だらしなく投げ出された私の手から見える紙に気付いたリドルは飴か?と聞いた。頷いた私にリドルは、ため息をつく。



「馬鹿、今度から僕以外からもらった物は食べるな。」

段々意識が朦朧としてきた私はリドルに、頭を横に振る。こんな状況でも相変わらな態度の私にリドルは、一瞬泣きそうな顔をしたてからいつも通りの嫌味たらしい笑顔で笑った。




「ふん、じゃあ、またそうやって倒れたらいいさ。」





と言ったのに意識を手放す寸前、彼は酷く優しい手つきで私の頬を撫でた。

















***
リドルのあんな顔初めてみたな。















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