優しく笑う京一の瞳(め)がマジだ。
こうなるとごまかしが利かない。
(…参ったなぁ〜自分は適当にごまかしちゃうのにさぁ〜)
龍麻は小さな溜め息をついた。
京一に何かして欲しかった訳ではない。
(…どうしよう)
悩める龍麻を焦らすかのように、雨音が一層早まる。
ふいに、閃光が空を切り裂いた。
雷が校舎を揺らし、教室の明かりが消える。
(……)
声も無く、龍麻が京一の袖口を掴んでいた。
「…ごめん京一…子供みたいで…」
遠慮がちに袖口を掴みながら、龍麻の肩が小さく震えている。
「今のはでかかったな〜さすがにマジでビビったぜ。」
「…そうだね。参ったなぁ…雨だけでも充分ブルーだったのに…」
力なく呟く龍麻が小さく見える。
京一は躊躇することなく龍麻に近づくと、彼をそっと引き寄せた。
驚いた龍麻の鼓動が、一瞬跳ね上がった。
京一の腕のぬくもりが心地いい
「…雨の日はなんだか冷たくなっていきそうで…ひとりなのを自覚するせいなのかな…」
朝からの憂鬱な気持ちが氷のように溶けてゆく
「俺がいつでも傍に