ノベル

□始まり-前編-(シリル)
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「お前顔色悪いぞ。」


僕の額に手を当てながらシリウスが顔を覗き込んできた。
僕の好きな端正な顔立ちが微かに歪む。
笑ったら凄いキレイなのにな...。


彼の顔を見つめながらそんなコトをぼーっと考えていると「どっか辛いか?」と更に顔を歪められた。
シリウスはとても心配性だ。ジェームズに言わせると過保護らしいけど。

「平気だよ。ほら、早く行こう。」
そう言うとリーマスはシリウスの先を歩き出す。
「辛かったら言えよ。帰るからな。」

今日はホグズミードに行ける日だ。いつもはジェームズも一緒に行くのだが今日はホグワーツに残ってる。何でもセブルスが風邪を引いているらしく「僕、看病しなきゃ!!」と朝起きてすぐに走り去っていった。
なんで風邪引いてるって分かるんだろう?


というわけで今日は2人でホグズミード。
別に2人で来たことがない訳でもないのに何だか変な感じ。...緊張するな。


チラとシリウスを見るとホグワーツを出る前に行われるフィルチの検査の列に並んでいる。
顔には不敵な笑み。手には杖。
...何かやる気だ。





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