みじかひ夢

□教団戦隊イノセンジャー
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 教団戦隊イノセンジャー

カラーとネームを決めよう!編


「アレンはモヤシ・ホワイトでよくね?」

「ラビ!僕はモヤシじゃな・・・」

 そこで、すかさず口を挟んだのはあり得ないことに神田だった。

「駄目だ。・・・白はあいつの色だ」

「「・・・」」

 当然のように放たれた科白。あいつが誰を指すのかは聞くまでもなく。

 タンサク・ホワイト入隊決定。



「で、でもさー彼女は非戦闘員さ?」

「・・・心配するな、あいつの仕事は下調べとか、そんなんだ。戦は俺がやる」

 ラビの指摘にも、真顔で言い切った。

「じっ地味ー!それ戦士じゃなくね!?」

「・・・神田、彼女をどうしても仲間に入れたいみたいですね」



「ラビは、眼帯ウサギ・レッドですね」

 はっ!神田が意地悪く笑う。

「馬鹿ウサギだろ」

「そのまんま過ぎね?!て俺がウサギってもはや当たり前っすか」

 ラビは何だか空しくなった。コードネームはもっと格好良くしたかったのにこのモヤシめ。

「ユウは・・・アジエンス・ブラックで」

「・・・ブラックなら当然立ち位置はホワイトの隣だな」

 何故か勝手に立ち位置を決め付け、ほんの少し嬉しげな神田。

「えー蕎麦・グレイでよくないですか」

「テメェモヤシ・・・!」

「グレイはアレンさー。借金・グレイ」

 ラビが朗らかに言った瞬間、空気がどんよりと重いものに変化した。殺気が渦巻く。

「・・・ラ、ビ?」

「い、いやぁやっぱ、ハラペコ・グレイで!」

「僕、クラウン・グレイって名乗ります」

「無視っすか!」


「リナリーは、普通でいくとピンクさ」

「あ、でもピンクならフォーじゃないですか?彼女髪ピンクですよ」

「ああ?そいつアジア支部の奴だろ。ここに居ない奴に隊員資格はねェ」

「資格とかいつの間に決まったさ?!ユウルールさ…」

「え〜いいと思ったんですけど。守り神・ピンク」

 響きだけ聞くと何だか乙女チックだが、あの小さな守り神はバリバリ戦闘型だ。

 迷った末、コムイ改めシツチョー博士に聞いてみることにした。

「え?リナリーのイメージカラーとコードネーム?リナリーなら全部似合うけど・・・そうだねー「黄金の右脚、白金の左脚」なんてどう?」

「・・・何かアレンのクラウンクラウンに似てね?」

「それならリナリーは、ゴールドライト・プラチナレフトでいきましょう!」

「え、長くね?!何気に一人で二人分枠とってんですけど!てかパクられても平気なんさ?!」

「で、誰がリーダーやるんですか?」

「色的にはレッドの俺じゃね?」

 白髪の少年はにっこり微笑んだ。

「冗談でしょ?」

「うわー傷つくさ・・・」

 神田が横目でちらりとアレンを見た。

「モヤシ以外」

「神田以外!」

「リナリーにやってもらうさ?」

 妥当に思える案だった。しかし。

「リナリーはお姫様ポジションしか認めないよ」

 シツチョー博士は我侭だった・・・。

「じゃあ、残るは・・・」


 男三人に囲まれた少女は、追い詰められた小動物のようだった。

「「リーダーになってください!」」

 ラビとアレンが声を揃える。少女は突如押し付けられた大役に戸惑いまくった。

「え?・・・えっ?!ええー?」

「心配すんな。俺がお前の分も敵を斬る」

 とうとう神田まで、彼女をリーダーと認めてしまった。

 タンサク・ホワイト(非戦闘員)、イノセンジャーのリーダー決定。
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