その他

□あなたの隣
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「教官」
「…‥」


「堂上教官?」
「…‥」

先程から何度も呼ぶが返事は一向に帰って来ないし、前を歩く自分より少し低い背中が振り返る気配もついぞ感じられない。。


「もう!堂上教官てば!」

勢いに任せて腕を強く引けば、逆にその手を取られて腕の中へと閉じ込められた。

「え!ちょ、教か」
「今はプライベートで別にお前の上司じゃないんだが」

暗に呼び方の事を言われたのだと理解出来たが、そう簡単に切り替え出来るほど郁の恋愛経験値は高くない。

「えっと…‥その」


顔を赤くし、しどろもどろになっていると濡れた感覚が耳を襲った。

「ほら、早く」
「ひゃ…んっ…や‥」

そう言う間も堂上の舌は止まらない。ゆっくりを縁をなぞる動きになんだか変な感じがしてきてしまう。


「ッん、ぅあ…‥あ、篤さん!」
「…‥ッ」

恥ずかしさと変な感じになってきてしまったのに耐え、必死に名前を呼んだのに今度は堂上の方が黙りこくってしまった。

「‥篤さん?どうかしましたか?」

その大きな手のひらで口元を隠し、気まずそうに視線を外す。心なし顔が赤い気がする。

「篤さん?」
「…なんでもない。ほら行くぞ、郁」


そう言うが早いか郁の手を取り歩き始めた。何気なく呼ばれた名前に嬉しさが込み上げる。

「篤さん」
「なんだ」
「早く慣れるように頑張りますね」
「善処してくれ」







「くそ、こんなとこでいい声出しやがって。手ぇ出せねぇだろ、バカ」

小さく呟いた言葉は郁の耳に届くことなく消えた。



――――――――――――

さてここは何処でしょう(笑)

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