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□…飢えた
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"飢えた"

彼は腕の中で唇だけ動かした。だから実際どう言ったか分からないけど。


今の彼は物凄く弱い。
彼を知る人間ならきっと驚き、目を見張るだろう。

忍足という支えを無くした今
代わりの(代わりにはならないが)支えが必要だ。



「幸村…」

そう呟き抱きついてくる。
今頃彼の想い人は恋人と一緒に彼と同じように腕の中にいるのか、もしくは。

不安そうな声の方を向き声を優しくかけた。


「跡部、俺はここにいるよ」



――お前が必要としなくなるその時まで…

安心したように頷いて目を閉じた。今日も腕の中で彼を眠らし、自分もゆっくり。



今の彼は食が細くなり、筋肉も落ちてきて腰周りが一層細くなった。それを引き寄せ、眠る。


『…あぁ、これ以上彼が傷付きませんように』











***

これは忍足が好きな跡部と跡部が壊れないように守っている幸村。
ちなみに忍足は仁王と跡部の間で揺れています。

忍跡前提の幸跡、仁忍。

081203

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