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□箱庭の少女たち
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『抱いてあげましょうか』
どうせ叶わない恋なら、と彼女を半ば無理やり犯した。
『抱いてください、御姉様』
高飛車に言い放ったあたしの言葉に、彼女は微笑った。
女も男も、未だかつて誰も触れたことのないであろう彼女の身体は、陽の光の下で酷く艶かしく、この世のものとは思えないほどに綺麗だった。
『御姉様、御姉様』
そう呼ばれる度に、胸はじわりと少しずつ熱を帯びて、それに戸惑い手付きはさらに乱暴になった。
違うのに、違うのに。
彼女をこんな風に酷く扱いたいのではない…本当はもっと大切に、砂糖菓子よりも甘く甘やかしてやりたいのに。
『ああ…御姉様、何故お泣きになるのですか?』
嗚呼、嗚呼。
哀しくて、哀しくて…彼女の頬に涙を落とし、みっともなく嗚咽をもらしながら泣いた。
泣きたいのは彼女のほうだと言うのに。
『貴女は…何故、微笑っているの…?』
あたしにこんな酷い扱いを受けて、あたしが憎いとは思わないの?
彼女はしばらくきょとんとした顔で、涙を溢すあたしを見ていた。
そして、随分たってから、白く細い指であたしの髪をひとふさ掬いとると、やはり微笑みながら言ったのだ。
『御姉様、お慕い申しあげます』



ずっと、ずっと恋い焦がれておりました。






●あとがき●
女は情の深い生き物だと、何処かで聞いたような気がします。
こんにちは、柚季みくです。
最近やっとストロベリーパニック!を観る暇ができたので、嬉々として観ています。
御姉様という呼び方にハマり、ついこんなものをupしてしまいました。
気に入っていただけたら光栄です、また感想などお聞かせください。

柚季みく

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