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□狂愛らぷそでぃ。
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「ねぇ…僕ね、晃司のこと大好きだったんだよ…」
漆黒の闇の中、ひとりの少年が横たわる男に囁く。
男は口を固く結び、じっと動かない。
少年は返事が欲しいわけではないのだろう。
ただ、愛しくて堪らないとでもいうように…男の頬を何かに濡れた指でなぞりながら、続ける。
「ずっと、ずっと待ってたの…晃司とするの、待ってたんだよ…」
少年は言葉を紡ぎながら、何かに憑かれたように身に纏う衣服を引き裂いた。
そうして何もなくなると、この上ない幸福の表情になり、そのまま男の上に跨がった。
「晃司…」
最初は遊ぶような口づけを、それは徐々に激しさを増していった。
反応を返さない男の唇を貪り、夢中で吸い付く。
くちゅ、くちゅと淫らな水音が誰もいない部屋に反響しては、落ちていく。
少年が昂るにはそれで充分だった。
「…はっ、ぁ…」
少年は荒い息を吐きながら、栗色の髪を揺らし、横たわる男の性器を取り出す。
そして前戯もなにもないままに、後ろの蕾にそれを宛がい、捩じ込むように全てを納めきった。
「…っ…晃司」
無理な挿入のせいで、少年の小さなそこからは微かな朱が滲む。
しかし、それ以上に少年は大きな幸福に満たされていた。
「愛してる、晃司…」
月を隠していた雲がさあっと晴れて、細く欠けた月が姿を現した。
部屋が幻想的な青い光に満たされて、繋がるふたりの影がぼんやりと浮かび上がる。
「…赤色、お揃いだね」
艶やかに微笑む少年の手は、男の腹部と同じように真っ赤に染まっていた。









ただ、愛していた、だけなんだよ。





●あとがき●
初めまして、柚季みくです。
初upとなりますBL短編、彼女の文章力にはまだまだ及びませんね;
こんな駄文で申し訳ない。
柚季は頭の半分以上がエロなので裏であっても放置です←

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