Novel-another
□まどろみの午後
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うとうと、うとうと。
コックリコックリ。
締め切られた教室。
暖かい陽射し。
そんな中で君の事を夢に見たよ。
シルバーブロンドがフワリとオレの頬に触れたのはきっと、
都合のイイ、夢。
まだ寒の戻りで外の気温自体は低くて肌寒い。
だけれど程よく暖房が効いて、尚且つ窓際でポカポカと陽射しを浴びて…その上昼休み後の補習(今日は午前中授業だった)なんてまるで寝てくれと言っているようなもの。
本日ただ一人の補習者:沢田綱吉は出された課題の数学の問題を解こうと必死に頑張っていたのだが…いかんせん、問題の内容自体がちんぷんかんぷんだ。
わからなければ聞きに来いと言っていた数学教師だったが…最初からわからない、等と言えばまたいらぬお小言を頂戴する羽目になりそうで綱吉はうだうだと机に突っ伏していた。
(わかんないよー;…こんな時獄寺くんが居てくれたら助けてくれるのに。…ってすぐに彼を頼りにしちゃダメだ!ってこないだもリボーンに怒られたのに…!)
グシャグシャと自分の頭を掻き回し、綱吉は「うーん」と唸り声を上げる。
何となく、思い浮かんだ彼の顔が頭から離れなくなったからだ。
(…きっと、獄寺くんはオレがこんなモヤモヤした気持ち抱えてるなんて知らないんだろうな…)
顔を組んだ腕に埋めて溜め息を吐く。
(…あぅ、…暖かくて眠いー…お腹一杯だからかな…?この暖かさが気持ちイイ…あ、獄寺くん…帰ったかな…?山本は…部活、だし…待たなくて良いって言った…け、ど…)
(…会いたい、な。…声が聞きたいよ…)
ふにゃふにゃとそんな事を考えていたら「ふぁ…」と欠伸を一つ。
それきり綱吉は思考を止めた。
…止まったと言った方が正しいが。
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