お題で習作置き場

□何気ない日常で10のお題
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05.TVプログラム(ポケスペ:ルビサファ)


 新聞を隅から隅まで読み終えたルビーは、メガネを外し、軽く目を押さえた。
 「どげんしたと?」
 その動きに、怪訝な表情を浮かべて近づいてきたのは、文字の勉強、と称してルビーに新聞を読むよう言われて、辞書をひねくっていたサファイアだった。
 「ああ。ちょっと目が疲れただけだよ。それより読めた?」
 「ん〜〜と。これが分からんばい」
 「どれどれ」
 差し出された新聞のページは、TVプログラム。
 つまりテレビ欄、である。
 「ぽけもんにこにこ、までは読めるんが」
 「教室、だよ」
 「きょうしつ???」
 「えっと。みんなが勉強するために集まる場所だよ」
 分かるかなぁ、と言いたげにルビーが説明する。
 自身はコガネシティという都会にいたから、学校、という存在を知っているが。
 ホウエンを旅して回った時、塾のような小さな規模の学び舎しか見たことのないルビーは、いまいちサファイアに通じるか不安だったりする。
 その心境を知っているのかいないのか。 
 サファイアが思い浮かべた『教室』は、カナズミのジムリーダー・ツツジに挑戦しようとした際、試験とジムリーダー戦を受けたあの部屋だった。
 だから、ほぼ正解、ではあるのだが。
 「へ〜〜え。やあ、こん番組は、あげんところでやるんやね」
 教卓のボタンひとつで講義室からボトルサークルへと変貌した光景込みだったりするので、かなり誤解をしているともいえる。
 「分かったのかい?」
 「見たこつあるとよ。カナズミシティで!」
 「へえ。カナズミに学校なんてあるんだ」
 「がっこう? 何ね? それ」
 「え?」
 疑問に首を傾げるサファイアに、ルビーは思わずマジマジと見やってしまった。



一言:ポケモン世界に学校のイメージがないので……すみません!
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