☆庭球歌劇部屋B☆
□雨上がり
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『また後でな、塁斗』
会えるまでまだまだ時間はあるのに、僕の心はまた躍る。
切れた携帯をしばらく眺めて、雨の降り注ぐ窓を見つめた。
恨めしかったこの雫が、今ではこんなに綺麗に見える。
「まだ散ってないよね」
楽しい一日、彼の一言で。
満開の桜を思い描き、僕は腰を上げた。
花見の準備、完璧にしとかなきゃ!
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家の用事を全て終わらせて椅子に座ると、雨の音は子守歌。
ウトウトと意識が遠退いた…
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─♪〜♪♪〜♪♪〜〜─
浅い眠りから覚めた時、一番に聞こえてきたのは聞き慣れた着信音。
工さんからの呼び出し。
「ん…まだ3時半?」
仕事が終わるまでもう少しあるはず。
「はぁい」
『塁斗ぉ〜♪って、もしかして寝てた?』
「ちょっと居眠りしてました。どうかしました?」
『居眠りしてたなら気付いてないね』