☆庭球部屋B☆
□君に惚れたワケ
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ここは公共の場所だから、普段のタカさんなら必要以上に僕に触れたりしない。
それでも僕の頭を撫で続けてくれるのは、本当に心配してるからだ。
「だから心配なんだ…俺の知らない場所で、不二が嫌な思いをしてないか」
タカさんの言葉を聞いて、ある日を思い出す。
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あの日、僕は待ち合わせに遅れると連絡をくれたタカさんを待っていた。
まだ数えるほどしかデートなんかしたことがなくて、僕の顔は緩むばかり。
そんな時…
「カ〜ノジョ♪」
「??」
「メッチャ美人じゃん!俺らと遊ぼうよ!!」
言葉と共に肩へと回された腕に吐き気がした。
冷静に観察するも、相手は三人と逃げられる人数ではない。
「嬉しそうな顔しちゃって…デートかなぁ?待たせる男なんか放っといて、俺達と行こうよ!」
冷静になって対処しなきゃと思うのに、タカさんを悪く言うような男の口調にキレた。
「僕は男だし…それに、僕の待ってる人はアンタ達なんか比でもないから」
少しばかり強めに睨んだはずなのに、最初の表情を見られたせいで効き目がない。