☆庭球部屋A☆
□never mind
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負けるの、嫌いだもんな。
まだ戦いたくてウズウズしてるんだろ?
握り締めた拳、見ているだけで俺が辛いよ…
お前はいつの間にか俺よりも強くなっていた。
あんなに頼もしい背中、初めて見たよ。
情けなくてゴメンな?
勝てなくて…いや、最後まで戦えなくてゴメンな?
中途半端が嫌いな君に、俺は呆れられていないだろうか…
なぁ、海堂。
これからも傍にいて平気か?
出来れば君のその強さを、俺に分けてほしい。
俺はまだまだ強くなりたいんだ。
お前と一緒に。
どこまでも上を目指していたいんだ。
我儘なのは分かってる。
こんな弱い俺なんか、お前の隣にいる資格はない。
それでも願ってしまうよ…
もう一度、この手を取ってほしい。
俺に頼ってほしい。
「先輩」
どうして君は、俺を喜ばせることばかりをしてくれるんだ?
情けないだけの、頼りない俺に。
「痛くないっスか?」
優しすぎる気持ち。
躊躇いがちに触れる指先。
君の想い全てが愛おしい。