☆庭球部屋B☆

□一日中、キス
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◎大菊◎



軽い息苦しさに目を開けば、視界は赤茶に染まっていた。


「……英、二?」


思い浮かぶ人物なんてただ一人しかいなくて、確信を持ちつつも名前を呼んでみる。

するとモゾモゾと身動きし、ヒョコっと見せた顔は満面の笑み。


「おはよ、大石vv」


俺に跨るように座っていた英二の顔はあまりにも至近距離で、挨拶と同時に送られたキスに何の反応も出来なかった。

朝は強いと思ってたけど、英二の可愛さに夢心地な俺。


「英二…おはよう」


胸に置かれた腕が少し苦しかったので、抱き込むようにして起き上がる。

そんな俺を嬉しそうに抱き締めてくる英二はやっぱり可愛くて、フワフワした髪に俺も挨拶代わりのキスを送った。


「む〜!チュウはココ!!」


頭へのキスは不服だったらしく、拗ねたように頬を膨らませた英二が自分の唇を指差す。


「ハハっ、ゴメン」


困ったように眉を寄せてみるも、実際は俺も唇にキスしたかったから。

だから、躊躇いなく唇を落とす。


「ん…あ〜…もう終わり?」

「足りないか?」

「足んない!!」

「仕方ないなぁ…」


短いキスじゃ足りないと言うのなら、期待に応えよう。
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