☆庭球歌劇部屋A☆
□子供の頃に
2ページ/7ページ
「子供の頃に戻りたいなぁ〜って、思ったことあらへん?」
「お前なぁ…いきなり家に押し掛けて来たと思ったら、そんなこと聞きに来たのか!?」
すっかり休日モードだった草ちゃん家に押し掛けて約10分。
呆れ顔で出されたコーヒーを飲みながらそんな質問をすると、案の定怒鳴られた。
「だから、休みの日に押し掛けたのは謝るってι」
「…もういいよ」
「草ちゃぁ〜んvv」
「寄るな!暑苦しい!!」
邪険に扱いながらも、俺をココから追い出そうとはしない。
優しい優しい草ちゃんは、俺の大好きな人…
「で、なんだって?」
「ん?」
「さっきの…"子供の頃に"ってヤツ」
「あぁ!!なんかなぁ〜、さっきランドセル背負った子供達見てん」
俺は話を聞いてくれたことが嬉しくて、終始ニヤニヤしながら説明した。
唐突に思い出した草ちゃんの休日の日にち。
家に行こうと決めたら落ち着かなくて、自然と早足になりながら向かっていた。
そこで見つけた二人の小学生。
男の子同士なのに仲良く手を繋いで、楽しそうに喋りながら歩く姿。
俺はそれが羨ましくて堪らなかった。
大人になった今、男同士で手なんて繋げない…