☆庭球歌劇部屋A☆
□男らしく、倍返し☆
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"雑誌に載せなかった分"
そう言われて受け取ったのは、封筒に入った数枚の写真。
対談というかたちで行った遊園地での、俺と卓也の楽しそうな姿だった。
「俺ってこんな顔で笑ってたんだ…」
仕事柄、いつもクールにと気をつけている。
でも卓也といると楽しくて、俺はそのテンションに乗せられてしまうんだ。
「げっ!アイツ、どんなとこ撮ってんだよ///」
お互いに持ったカメラで相手を撮った。
だから、俺の知らないショットが沢山。
これが全て卓也の目から見た俺なんだと思うと、すごく照れくさくて嬉しい。
きっとアイツの元には俺が撮った卓也の写真が送られてるはずだ。
そっちの方が恥ずかしい…
「同じくらいに届いてるとすると、今日の内に掛かってくるかな?」
手元の携帯は今にも音を奏でそうで、俺は声を出して笑った。
今日は卓也の誕生日だ。
もし電話が掛かってきたら、食事にでも誘ってやろう。
「いや…」
やっぱり、俺の手料理でもてなしてやろう。
俺は財布と携帯をズボンに突っ込み、鍵を掴んで外に出た。
少し肌寒い、冬を感じさせる灰色の空だった。