☆庭球歌劇部屋A☆

□失礼なキミ
3ページ/7ページ

コツンと合わせた拳が震えた。

あの感動を、オレは忘れない…


「お疲れさん!」


いつの間にかなくなっていた距離は、沢山の笑顔を見せてくれるようになっていた。


「暇?」

「え、何がですか?」

「明日」


誘われたの、初めてだ…


「大丈夫です」

「じゃあ迎えに行く」

「え?何で知ってるんですか!?オレの家なんか…」


家の話なんてしてないのに。


「相葉っちに聞いた。遊び行こう?」


まるで普通のことのようにそう言って、再びオレを誘う荒やんは、なんだか楽しそうだ。


「はい」


だからオレも笑ったのかな?

極自然に、オレは笑えた。


「待ってます」


迎えなんて恥ずかしいけど、なんだか楽しみになっていた。

いつもなら断るのに。


「じゃあ明日!」


年上に失礼だからって訳じゃない。

自分に正直になったんだ。



あれから、何度かオレ達は二人で会った。

最初はぎこちなくて、ドキドキして…

いつからか、そのドキドキは心地良いものへと変わっていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ