☆庭球歌劇部屋A☆
□失礼なキミ
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コツンと合わせた拳が震えた。
あの感動を、オレは忘れない…
「お疲れさん!」
いつの間にかなくなっていた距離は、沢山の笑顔を見せてくれるようになっていた。
「暇?」
「え、何がですか?」
「明日」
誘われたの、初めてだ…
「大丈夫です」
「じゃあ迎えに行く」
「え?何で知ってるんですか!?オレの家なんか…」
家の話なんてしてないのに。
「相葉っちに聞いた。遊び行こう?」
まるで普通のことのようにそう言って、再びオレを誘う荒やんは、なんだか楽しそうだ。
「はい」
だからオレも笑ったのかな?
極自然に、オレは笑えた。
「待ってます」
迎えなんて恥ずかしいけど、なんだか楽しみになっていた。
いつもなら断るのに。
「じゃあ明日!」
年上に失礼だからって訳じゃない。
自分に正直になったんだ。
あれから、何度かオレ達は二人で会った。
最初はぎこちなくて、ドキドキして…
いつからか、そのドキドキは心地良いものへと変わっていた。