☆庭球歌劇部屋A☆
□☆HAPPY☆
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「はぁ〜」
これで本日6回目。
荒やんのため息を数えてたらバカバカしくなって、オレは休憩がてら稽古場を抜け出した。
そんなオレの背中に突き刺さる視線には、あえて気づかないフリをして…
「女じゃないんだから、オレも待ってなきゃいいのに…」
荒やんの気持ちには前から気づいてた。
ってか、気づくなっていう方が難しい。
「オレの方が変みたいじゃん?」
意識して、少し避けて。
寂しい顔するのは分かってるけど、恥ずかしさには勝てないんだ。
「荒やんが悪いんだ。早く言わないから…」
こんなに悩んだのは何年ぶりだろ?
しかも男相手に、まったく不快感を感じない。
"恋愛感情"なのに。
「これはオレも好きだってことだよね?間違いないよね?」
自分の気持ちも分かった。
後は荒やんが一歩踏み出してくれたら…
今のオレ達、きっと同じ顔してるね。
カラ元気で、ため息ばかりついて、少し触れただけで喜んで。
百面相してる。
「もう待てないカモ」
片言になりつつ、震える自分の肩を抱く。
自分の行動を制御出来なくなる前に、どうにか決着をつけなくちゃ!