☆庭球歌劇部屋B☆
□感謝してるよ
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「やっぱり」
「よっス」
「また来たの?部屋、汚いんだけど…」
「片付け手伝うから入れて」
「いや、手伝わなくても入れるけどね」
文句はなしって、苦笑いしてオレを招き入れてくれた。
いつの間にか目下になった優しい笑顔は、オレの恋人なズッキー。
今は一方的な愛情かもしんないけどね、オレの。
「お構いも出来ないよ?せめて連絡くれたら良かったのに…」
「迷惑?」
「んや、まさか」
質素な冷蔵庫から視線を逸らし、オレへと向ける柔らかな笑顔。
ズッキーの言葉を完璧に肯定してくれるようなその表情に、ようやくオレは安堵した。
どこかで不安だったのかも。
迷惑だったら、オレなんて必要じゃなくなったら…ってさ。
「おーちゃんの突拍子な行動には慣れたよ、いい加減」
「…呆れてる?馬鹿にしてる?」
「半々?」
「……泣く」
「あ゙〜〜ゴメンって、嘘だって!」
ギュ〜って、痛いくらいに抱き締めてくれたから許す。
安心するなぁ、この腕。
もうオレのがデカいのにさ。