☆庭球部屋☆
□幸せのBouquet
3ページ/6ページ
「おっと!こんなことしてないで、早く良い店探そ♪」
オレは気分を新たに、また一歩を踏み出した。
「あれ?英二??」
そんなオレを呼ぶ声。
大好きな、澄んだ爽やかな声。
突然の展開に、オレはドキドキしながら振り返る。
出会った頃の、何とも言えない気持ちに似ていた。
「大石?」
「やっぱり英二だ!偶然だなぁ、買物?」
…やっぱり似てる。
胸がキュッとなって、苦しいような嬉しいようなカンジ。
どれだけ経っても慣れない高鳴りだ。
「うん♪良い店ないかなぁ〜ってさ」
「俺も暇で出て来たんだ。一緒にどう?」
「もち!全然OK☆」
"隣には君がいると良い"
機嫌は更に上昇していく。
オレは満円の笑みを浮かべて一歩戻った。
あのウインドウにはまだ女の子達がいて、オレはチラリと視線を向ける。
「ん?」
そんなオレの行動を目敏く見つけ、大石もウエディングドレスの飾ってあるウインドウを見る。
その時にごまかせば良かったんだけど、オレはウインドウから目が離せなかった。
いつの間にか、大石の視線がオレへと変わっていたことも知らずに…