☆庭球部屋☆
□足並み揃えて…
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◎大菊◎
菊丸は前の競技が終わった瞬間、入場門で待つ相方の元へと走った。
人の間を擦り抜け、最短距離で駆け抜ける。
「英二!コッチ!」
同じハチマキをした不二と河村の姿が見えて、菊丸は片手を上げて返事を返した。
「ヤッホ☆大石は?」
「今来てるよ、ホラ」
河村の指の先を追うと、自分と同じように走っている姿が見える。
「委員長は大変だね」
「フフフvvあ、英二。テニス部で同じ色なのは僕達だけみたいだからさ、1位2個は確実だよね」
「もち♪バッチリ勝ってやろうゼィ!」
菊丸と不二が勝利を誓い合う頃、息を切らした大石が入場門へと駆け込んで来た。
すぐに菊丸達を見つけ、息を整えながら近づく。
「間に合った…」
「お疲れ、大石」
河村の労いの言葉と癒されるような笑顔にホッとして、大石は菊丸に声を掛ける。
「お待たせ英二」
「大石vv」
大石の姿を確認した途端に抱きつくと、キラキラと興奮した目を見せる。
「勝とうね、大石!」
「あぁ!!」
それに答えるように大石も菊丸を抱き締め、あうんの呼吸で準備を始める。
そんな二人に掛け声なんて、必要なかった。