☆庭球部屋☆
□あの日の約束
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俺の質問に何度か瞬きをして、次の瞬間顔を真っ赤にして答えた。
「こ、今回、だけっスよ///」
「堂々と薫って呼べる時なんて、滅多にないからね♪」
承諾をもらって気分良く鼻歌を唄っていた俺に、おずおずと顔を上げた海堂が言った。
「俺もいいっスか?」
「ん?何を?」
「その……名前で、呼んでも…///」
願ってもない海堂からの提案。
「ももも、もちろんだよ!」
「っス///」
俺の顔は更に緩んで、海堂からため息をもらった。
こんなに嬉しい誕生日になるなんて、俺はなんて幸せなんだと思う。
流れるようにホームへと入った電車から降りて、俺達はホテルに向かった。
思いの外簡単にチェックインが終わって、部屋に荷物を置くと海堂に話し掛けた。
「今からじゃあほとんど遊べないけど、テーマパークの方に行ってみる?」
「あ、はい!」
嬉しそうに答える海堂に、自然と俺も嬉しくなる。
二人で身支度を整えて、海堂に言われるままに荷物を片付ける。
そのままフリーパス券を掴んで部屋を飛び出した。
二人で出掛けるのなんて初めてじゃないけど、こんな時間帯と慣れない環境に、益々胸が高鳴った。