☆庭球部屋☆
□距離
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「か〜お〜る〜ちゃん♪」
「よっ!マムシ!!」
…人がせっかく気持ち良くジョギングしてるってのに!
両肩にかかる重みを振り払うようにスピードを上げて行く。
「ちょっと海堂!先輩に挨拶もないってどういうこと?」
「…っス」
「ちょっとマムシぃ!ライバル兼親友に挨拶もないってどういうことだ?」
「誰がお前となんか親友になるか!ってかライバルでもねぇよ!あ、マムシって呼ぶなぁ!!」
「なんだとぉ?俺だってお前なんか…」
「「やんのかコラぁ〜!」」
すっかり足も止まって、桃城と言い合いになってる俺。
菊丸先輩はそんな俺に完全に身体を預けていた。
「コラ、周りに迷惑でしょ?」
そんな俺達の間に割って入り、おまけに菊丸先輩の首根っこを掴んで俺から引き剥がす。
「「い、乾先輩?」」
「お!気が合うじゃないか。いつもそうなら有り難いがな」
一回りデカい身長を二人で見上げて、逆光に光る眼鏡にゾッとする。
そのまま嫌がる菊丸先輩を引きずって校門へと入って行った。
「なぁマムシ…乾先輩、いつからいた?」
「さ、さぁな…ι」
今日の朝練が急に怖くなった、そんな朝だった…