☆庭球部屋☆
□フル・ボイス
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◎乾海〜海堂side〜◎
「やぁ」
「ぅあ!?」
突然耳元で聞こえた声に、俺は何メートルか退けた。
「か、海堂…ι」
「あああアンタが突然話し掛けるのが悪いっス!!」
あからさまに落ち込んでる乾先輩に、罪を全てなすりつける。
だって本当なんだ。
いきなり耳元で話し掛けたりするから…
ったく!
変な声が出そうになったじゃないか!!
「フシュウゥゥ〜…もう二度と俺の耳元で話し掛けんじゃねぇ!」
「そんな!」
「寄るな!!」
「海堂〜〜ι」
情けなく眉を下げて俺にしがみつこうとする先輩に、俺は拳を震わせる。
「てめぇ…人の話を!」
「じゃ、じゃぁ!!」
「あぁ゙!?」
「外では絶対耳元で話し掛けないから、ね?」
最後のお願いみたく先輩が首を傾げる。
ヤベェ…
すっげぇ可愛い…
俺は無意識に伸びる手に気付かずに、目の前のデカい巨体を撫でる。
自覚は…ないι
「か、海堂?///」
「?……げっ!?」
「ちょっと!"げっ"はないでしょ!?」
顔を赤くして訴える先輩が、また可愛く見える。
こんなドリアン頭の変態汁作りを可愛いなんて思うのは…
末期だ…ι