☆庭球部屋☆
□ラブレターを君に
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氷帝学園中等部の早朝。
中央玄関に響いた声の主は向日岳人。
原因は…
「くそくそ!!毎日毎日ウザいっつの!!!!」
岳人の右手いっぱいに納まったラブレターの数々。
普通のラブレターなら喜べるのに、その送り主は"普通"ではない。
「男からラブレター貰ったって、嬉しくもなんともねぇのに…はぁ〜ι」
とりあえず一枚一枚送り主を確認しながら、男からのは道端のゴミ箱に投げ捨てる。
中身まで読んでももらえない可哀相な手紙達は、また明日も靴箱の中に詰め込まれるのであろう…
「ったく、物好きが多過ぎるぜ…」
「がっくん可愛いからしょうがないC〜♪」
いつの間に乗ってきたのか、背中から肩にかかる重みに、岳人は更に眉を寄せる。
結局、手紙の3分2がゴミ箱へと消えて、残った最後の手紙を裏返す。
「はぁ〜。まじでいつまで続くんだよ…ん?」
溜息交じりに見つめたその手紙には、送り主の名前はない。
岳人は首を捻りながらゆっくりと封を解いた。
「あれ?開けるの??」
「だって誰からか分かんねぇのは気持ち悪いし…」
「ふ〜ん」
「つ〜か、寝るなよ?ジローの教室は通り過ぎたぞ」