☆庭球部屋A☆

□一番綺麗な景色
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どこを見ても目に入るイルミネーションは、クリスマスだからだ。


「寒…」

「もうちょい、コッチおいで?」


少し繋いだ手を引くと、俺の肩に押し付けるように額を寄せてきた。

いつからだろう?

こんなに海堂が素直になったのは。


「平気?」

「っス」


最初は街中で手を繋ぐなんて、海堂にとっては有り得ないことだった。

でも、あれから5年。

もう二人でいることが普通になっている。

離れている方が、不自然に思える。


「あ、Mail?」


ぴったりと寄せていた身体を突然離すと、海堂は慌ててポケットに手を入れた。


「英二先輩?」

「英二か…何だって?」

「"今アーケード中央にいるよ!皆一緒だから、海堂達も来ない?"って」

「海堂にMailした方が確実だって思ったんだな」


俺にしたら無視されるかもしれないから。


「どう、しましょっか」


上目遣いで見るなよ。

"行きたい"って、素直に言えばいいだろ?


「アーケード中央って、中央広場のことだろ?確かあそこ、大きなツリーがあったよな」

「?」

「せっかくのクリスマスなんだし、ツリーくらい見に行ってもいいだろ」


海堂の顔が輝いた。
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