☆庭球部屋A☆
□一番綺麗な景色
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「こっちこっちぃ〜♪」
白いランプが沢山灯る大きなツリーが見えた頃、懐かしい英二の声が聞こえた。
「本当に皆いたんだな…」
「だから!ちゃんとMailに書いたでしょ?」
俺の言葉に、腕を組んでいた大石ごとズンズンと進んで来る。
そんな英二を、大石は幸せそうに眺めていた。
「皆揃うのなんて久々だろ。連絡も取ってなかったのに」
「だってクリスマスにはコレを見に来たいじゃん?」
「そうそう♪」
いつの間に隣に並んでいたのか、不二が相変わらずの笑顔を向けてくる。
「そういえば、中学最後のクリスマスにも、ここに来たな」
「俺達なんて、その年から5年ぶりっスよ?越前がアメリカ行きましたから」
「嫌みっスか?」
少し落ち着いた顔つきになった桃城と、テニス焼けの目立つ越前。
身長はほとんど変わらなくなっていた。
「まぁ俺達だってたまに来るが…手塚もか?」
「悪いか」
「…嫌…」
そろそろ彼女の一人くらい作ったかと思ったが、たまたま越前達と一緒に日本に帰って来ただけらしいな。
「皆揃ったし、近くに行かないか?」
俺達の会話が一通り終わったのをみて、大石が一声掛けた。