☆庭球部屋B☆
□出会い
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待ち合わせに決めたデカい柱の反対側。
ヒョコっと顔を出したのは懐かしくも忌々しい笑顔。
「ん?何や、青学の菊丸やないか」
「おわっ、忍足もいたんだ」
「…俺、そない存在感ないん?」
「あははっ!メンゴメンゴ♪」
一瞬にして中学時代に戻ったかのような会話。
何か面白くない…
「あ…ゴメンね向日、忍足取ったりしにゃいから」
「へ?」
「本当に好きなんだねぇ〜♪こんな泣きそうな顔されちゃって…この幸せ者!!」
「岳…お、俺は岳人だけやからな!!」
「はぁ!?」
突然抱きつかれて、とりあえず目の前の頭を殴りつける。
「おい菊丸!変なこと言うんじゃねぇよ!!」
「あははぁ〜☆」
「笑い事じゃねぇ…」
「まぁまぁ岳人、俺も冗談が過ぎたって…堪忍、な?」
「…ったく、仕方ねぇな…」
「おおきにvv」
侑士の瞳が優しそうに細まる。
オレ、その笑顔弱いんだよな…
「そういや菊丸、こんなトコで何やってんだ?」
顔が火照るのが自分でも認識できて、話を逸らそうと菊丸に話題を振る。
オレと侑士を可笑しそうに笑っている姿にカチンときたが、久々の再会ということで許してやるか。