☆庭球部屋B☆

□ギャップ
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ちょっと面倒臭い。

表面はそういう表情を作ってるけど、内心ではガッツポーズ付きで『ラッキー!』って叫んでる。

確かに同じクラスだし、一番に誘ってくれるのは当たり前だ。

でも、東方より先だったことが嬉しい。

たったそれだけのことが嬉しい。



千石清純、南健太郎に目下片想い中です!



ニヤニヤしてたらあっという間に放課後。

グラウンドから野球部とサッカー部の掛け声が聞こえてくる頃に、オレと南は教室を出た。


「ラケット、持ってないだろ?」

「貸してくれんの?」

「誘ったの俺だしな」

「ラッキー♪」

「おいおい、そんなにテニスしたかったか?つか、部活やってた時より張り切ってね??」

「ははっ、気のせいだって☆」

「ったく…」


他愛もない会話。

こんな時思う。

男で良かった〜ってさ。

そうじゃなきゃ、照れ屋な南が笑いながら会話なんてしてくれない。


「あれ、東方は?」

「ん?東方も誘ったのか??」

「え…南、誘ってないの?」


ちょっとちょっと、え、マジで!?!?


「千石?」


不思議そうな顔で、南が狼狽えるオレを覗き込んだ。
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