☆庭球部屋B☆
□ギャップ
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絶対に誘ってると思ってた。
ダブルスパートナーだよ?
親友なんでしょ?
何で、オレだけ…?
「何だよ…東方がいなきゃ嫌だったか?」
突然不機嫌になる南。
そんな顔されたら、期待しちゃうじゃん。
「悪かったな、俺だけで」
「ち、違うってば!ビックリしちゃったんだよ、珍しいなって」
「珍しい?」
「だって、いつも南は東方と一緒じゃん?何でオレだけ誘ってくれたのかなぁ、ってさ」
オレの言葉に、今度は南が動揺する。
少しだけ目を泳がせると、小さく咳払いをしてからオレと向かい合った。
「…思い浮かばなかったんだよ」
「え?」
「だから…千石誘って満足して…東方とか新渡戸とか、誘うこと考えなかったんだよ」
あぁ、ヤバい。
心臓がウルサくてどうにかなりそう。
「あ゙〜、たまにはいいだろ!」
オレが黙ったことが気まずかったのか、南は照れたように頭を掻いて歩き出した。
「ほら行くぞ、千石!」
呼ばれた名前が愛おしい。
オレ、千石で良かった!
なんて、しょうもないこと考えてニヤける。
「みなみぃ、待ってよ!」
南の背中を追い掛ける。
あぁ、ドキドキする。