☆庭球部屋B☆
□学校生活@
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情けなく笑うと、ワックスで簡単に固めた髪を梳く。
「だってさ、オレを見る目が優しかったもん」
「そうですか?」
「うん!ヒロの目だった」
後ろ髪を束ねていたゴムを取って表情も緩める。
「でもパッと見、分かんないのなぁ〜」
感心したように私を見上げる瞳は、少し楽しそうだ。
「それは光栄ですね」
染めた髪色以外はすっかり"柳生"だ。
「うん、やっぱりヒロにキスされたい」
「それは…喜んで」
今度はちゃんと恋人の顔で。
短いキスを送ると、二人で顔を見合わせて笑った。
「解いちゃって良かったのか?変装」
「いいんじゃないですか?」
もう戻す気はない。
「まだ時間ありますし、デートしましょうか」
「マジ!?やったvv」
いくら中身が自分でも、仁王君に向かってその笑顔を見せるのは嫌ですしね。
「ヒロ大好き!!」
この言葉も、私だけのモノですから…