☆庭球部屋B☆
□学校生活A
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そして放課後。
部活後、家に荷物を置いてジャージで河原に集合と指示した。
スポーツマンな海堂は、それだけで練習メニューに想いを馳せていたようだった。
「海堂、お待たせ」
「っス!」
楽しみな気持ちを隠さない、海堂のキラキラした瞳。
可愛くて仕方がない。
「まずはランニング。行くよ」
「フシュぅ〜〜」
気合いを入れて俺の後を追う海堂のペースメーカーとなりながら、俺は予定通りのコースを走る。
初めての道に、海堂はキョロキョロと見回していた。
「あ、海堂。寄り道するからね」
「??」
唐突に言った俺の言葉に首を傾げながらも、俺が止まれば海堂も止まる。
素直なトコもまた良い。
「ほら」
立ち止まった小さな店の前。
ショーウィンドウを指差すと、海堂はないはずの黒い猫耳を立ててへばり付いた。
「可愛いだろう?」
窓越しには綺麗な硝子の動物達。
コクコクと俺の言葉に首を振って返事をすると、今度は突然俺を見上げる。
「先輩、有難うございます!」
「…あ…いや、喜んでくれて何よりさ」
「先輩?」
君が可愛くて思考がショートした、なんて…
言えないよなぁ。