☆庭球歌劇部屋☆
□酒より俺を!!
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─♪〜♪♪〜〜♪〜─
「直也?」
一人で静かな部屋に響いたメロディ。
直也専用の着信音。
「謝っても許してやんない!」
─ピッ─
「もしもし直也?いったい何時だと『"草ちゃん"ですか?』へ?」
俺の言葉の間に入った知らない声。
確かに俺は"草ちゃん"だ。
「そうですけど…?」
この声は誰??
『スミマセン、直也さんと舞台で一緒させてもらってたんですけど、今日飲み会があって、今まで飲んでたんです』
うん、それは知ってる。
で、誰?
直也じゃない声…
『それで…あの…』
「なんですか?」
はっきりしない言葉に、俺の苛々は募るばかり。
「直也は?ソレ、直也の携帯でしょ?」
『はい。直也さんなんですが…今話せなくて』
話せない??
どうして??
「何かあったんですか?」
急に不安になってくる。
直也に何かあったら、俺は立ち直れない。
『あ、違うんです!ただ酔ってるだけで』
「はぁ!?」
"酔ってる"!?
それで話せないって…
『帰ろうって言ったんですけど、そしたら"草ちゃん呼ばんと帰らん!"って俺に携帯を…』
「…迷惑掛けてます」