☆庭球歌劇部屋☆

□優しい君へ
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─ガチャ─


「ただいま、阿部βvv」

「…へ?キメ??」


ドアを開けた状態のまま、状況が飲み込めずに固まっている阿部β。

そんな阿部βに俺は抱きつくと、


「ただいま、阿部β」


もう一度言った。

そんな俺の言葉を聞いた阿部βは、はっと意識を戻して俺を見下ろした。

目の前にいるのが俺だと確認すると、みるみる内に柔らかくなる表情。


「お帰り、キメ」


そう言って抱き締めてくれた。

先に俺を部屋に通し、阿部βは後から荷物を全部抱えて入って来た。

買物袋を覗いた阿部βは、


「今日は何を作ってくれるの?」


って聞いてきたから、


「キメちゃん特製カルボナーラ海老風味♪」


と、俺は満円の笑みで答えた。



俺が料理を作る間、阿部βは食卓から俺を見ながら、


「良い匂いがするね」

「俺も手伝おうか?」


と、いろいろと声を掛けてきてくれる。

構ってくれるのが嬉しい俺は、阿部βの一つ一つの言葉に一喜一憂しながら、いつもより丁寧に料理を仕上げていった。


「完成♪」


そう俺が言う頃には、食卓は綺麗にメイクアップされ、俺の手に乗っていた皿も取られて、食卓に置かれた。
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