☆庭球歌劇部屋☆
□切れない思い=愛情
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目の前にいる男、『土屋裕一』を、とりあえず眺める。
暗い部屋でもお互いの顔が見えるくらい、そのくらい近くで眺める。
綺麗な肌、切れ長の目、薄く開いた唇。
オレは本能に従うままに、デカい額にデコピンした。
一瞬眉を寄せてすぐに寝息をたてる。
「ちぇ、起きないのかよ」
つっちーのバ〜カ、と、悪態をつき、オレはゴロリと寝返りを打った。
「んぁ!…腰痛ぇ〜ι」
何度も求められたせいで、いつもより痛む腰に、オレは顔をしかめた。
隣を見ると、気持ち良さそうに眠っている裕一。
なんだか無性に苛々して、もう一度デコピンをかました。
「いって!」
さっきよりも強くしたせいで、裕一が一気に覚醒する。
寝起きはいいんだよな。
「な、何?たかし…」
「……バ〜カ!デコッパチ!」
「は!?」
オレの棒読みのセリフに、裕一が口を開いたまま固まる。
もう、そんなに可愛い顔したら許しちゃうでしょ!
「ねぇつっちー」
「え?あ、何?」
「…腰痛いんだけど」
「あ…ご、ゴメン///」
真っ赤な顔して謝るくらいなら、最初から優しくしてほしいよな、まったく…