☆庭球歌劇部屋☆
□甘いモノ
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「え?」
「好きなモノですよ。食べ物とかコレクションとか…」
「あぁ…」
ヤバいι
今は雑誌の取材中だったんだ。
"好きなモノ"って聞かれて、ついついアイツが浮かんだ。
オレって末期じゃん…ι
「あ゙〜、えっと、じゃあ甘いのが好きです」
「ケーキとか?」
「そうそう♪コーヒーにも砂糖入れるし!」
「ハハ!足立君らしいですね。では、今日はありがとうございました。お疲れ様です」
「あ、ありがとうございました!」
やっと終わった…
なんかいろいろと失言しそうだったよι
「…疲れた。帰ろ!」
ガバッと起き上がって、荷物を担いだオレは、大股で出口まで歩いた。
ドアに触れるか触れないかって時に、
─♪〜♪〜〜♪〜〜♪─
「あ、Mail?」
ポケットを揺らす振動と、流れてきたMail専用の着信音に、オレは慌てて携帯を取り出した。
「ん?なんだズッキーじゃん」
ディスプレイで名前を確認すると、オレは受信画面へと切り替えた。
「"終わった?"って、なんて簡潔な…」
その短くてズッキーらしい文章に、なんだかすごくホッとして、オレは返信の代わりに電話をかけた。