Presents
□星に願いを
3ページ/8ページ
えっ今ティキ…何て言ったさ…――?
「ぁ…ティキ…っ…本気で言ってるさ…?」
「え?えっと…本当に今日何かあったっけ…?」
「っ!」
同じことを二度言われ、何かで頭を殴られた…そんな衝動に駆られた。
頬に何かが伝っていく感触にハッとし、気がつけば俺はティキの頬を叩いていた。
「パシッ!」という乾いた音が部屋に響いた。
「ティキの馬鹿ぁ!」
「ちょっ…ラビっ…!!」
ティキの制止の言葉も聞かず、俺は鞄を乱暴に持って保健室から出て行った。
*****
あれから何時間経っただろう…――。
辺りがすっかり暗くなっていく静寂のなか、聞こえるのはラビの泣く声だけだった。
「ふぇ…っ、…ふ…っ」
さっきは聞こえていた野球部の声も、すっかりなくなってしまった。
ひたすら流れ出る涙を拭いながら、止めようにも止められない。
「…っ…ティキぃ…っ」
「今日何かあったっけ?」
さっきのティキの言葉を思い出すだけで、これでもかと涙がどんどん流れてくる。
その言葉が胸を締め付け、息をするのだって苦しい。
今日は俺の誕生日で、みんなプレゼントくれて…『おめでとう』って言ってくれて…――。
ティキには…勿論言ってほしくて、一番に言って欲しくて…――。
やっぱりティキが言ってくれるのが、何より一番嬉しいんさ…?
「ふ…っ…どうしてぇ…っ…」
ねぇティキ…――。
俺の誕生日…本当に忘れちゃったさ…――?
⇒